青菜 透きとおる
なんて美しいのだろう、翡翠に例えられるけれど、石とは違うしなやかさと共にある瑞々しさ。鮮やかに透き通る緑に、陶然としました。
熱湯(ねいゆ)にくぐらせると現れる透明感と増す緑。この姿は、火を扱うことを覚えた人間だけが見られるんだよな、となんとなく頭に浮かびました。
久しぶりに見た熱湯をくぐった緑の鮮やかさは、調理する間も、配膳する間も、口に運ぶ間も、ずっと青菜に煌めいていました。普段食卓に並ぶ青菜にこれ程の感慨をもつことはなくて、これはきっとあの素晴らしく美しく現れる緑を目の当たりにできる、調理をする当人だけに与えられる魔法のようなものなのかとなと。
今日の午前中、かぶの間引きをしました。
畑の栄養になってもらってもいいのですが、折角なので持って帰って食べることにしたのですが、細く数の多いものからちまちまと土を洗い落とす作業は、確かに面倒で、やる気スイッチが入っていないとついつい嫌煙してしまいますよね。
忙しさにかまけて、料理というよりは、傷む前に処理をする、というような料理しかできていなかったので、殊更に手がかかることで否応なく時間をかけ、繊細な茹で時間と劇的な変化を見せる青菜に心動かされた昼餉でした。